グイニージの塔

塔と聞くと権力や富の象徴、戦闘や防衛と言ったイメージがあります。そして一方では空想の世界を呼び寄せる不思議な世界のイメージです。それは寓話や、おとぎ話の舞台として登場するからなのでしょうか。トスカーナの北部、城壁に囲まれた中世の街ルッカに建つグイニージの塔。頂部には7本の樹を載せ鬱蒼としている様はまさにおとぎ話にでも出てきそうな不思議な風貌です。塔に樹が生えているだけで、あたかも生命を与えられたように感じてしまい、今にも塔が歩き始めるのではないのかと想像してしまいます。

そして、45メートル程の高さを登るとそこには、またも不思議な空間が広がります。文字どうりの空中庭園です。35平方メートル程(20畳程)の小さなスペースには土があり、樹が生え、鳥が来ます。

木陰から見渡す中世の街の眺めは劇的で、このまま塔が歩き始めてトスカーナの丘陵巡りに連れて行ってくれないかと心から祈り、その光景を空想するのも楽しいものです。

最近、イタリアでは太陽光発電パネルの設置に国家補助金が支給されることもあり、ちょっとしたブームです。でも、真っ黒いパネルが街を埋め尽くすエコロジーよりも、たくさんの小さな緑の空中庭園を増やして空想に浸る。なんて言うのが私好みのエコロジーです。

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