ウサギ小屋のキッチン ?
最近聞かなくなって久しい小さな家の代名詞ウサギ小屋、壊しては次々と新しい家を作って行く日本においては今や昔話、懐かしい感じがしますが、壊すのも作るのも難しいイタリアではウサギ小屋はまだまだ健在です。いまやイタリア住宅事情は深刻な社会問題です。そんな状況の中、今から40年以上も前(オリジナルデザインは1963年)にジョ・コロンボがデザインした “MINIKITCHEN” を”Boffi” がリバイバルさせたのはマーケティングが住宅事情を反映してのことでしょうか。社会問題はさておき、1963年製のこの車輪の付いた合板製の可動式キューブ型ミニキッチンは現代の素材と最新機器を組込み、さらに洗練されて生まれ変わりました。
以前、バーゼルのヴィトラ・デザインミュージアムでジョ・コロンボの展覧会を観た時の事です。そこはまさに当時の未来の夢をデザインした作品で溢れていました。高度成長期社会が夢見た明るい未来のかたちの数々です。その状況で、ジョ・コロンボとパオロ・ボッフィ(Boffi 社長)の友情と未来への夢がこの ”MINIKITCHEN” を創造したのではないでしょうか。一方、未来の不安が語られる現代、 ”MINIKITCHEN” は、かつての未来の夢を現代に甦らせてくれる、すてきな玉手箱に見えてくるのです。
